僕的ナムドル分析 (2018年以降デビュー組篇)
フォロワーの皆様、いつもマシュマロありがとうございますm(_ _)m
このブログ、実に1年以上ぶりの更新です!
なかなか手が回らなかったのですが、このマシュマロの返信が「絶対140字では収まらない(爆)」と思ったので、思い切って今回はブログにしてみました!
以下、お付き合いいただけると幸いです。
目次
はじめに
まず「第4世代」という用語自体の定義は非常に曖昧です。
一応、ヨドルだとITZY(2019年2月デビュー)、ナムドルだとTOMORROW X TOGETHER(2019年3月デビュー)のデビューをもって「第4世代」アイドルだと扱われるケースが多いのは事実。
しかし2018年にデビューしたStray KidsやATEEZは「第4世代」と扱われることが多く、
逆にアイドゥルやIZ*ONEといったヨドルは「3世代」(もしくは3.5世代?)グループと扱われることが多い印象です。また、そもそも「世代論」で扱う事自体がナンセンスという意見もあります。そこで今回は「4世代ナムドル」ではなく「2018年以降」にデビューした①TOMORROW X TOGETHER、②ENHYPEN、③Stray Kids、④TREASUREの4グループに注目して「強み」と「弱み」を考察したうえで、近年のナムドル全体に話を向けていきます。
1.TOMORROW X TOGETHER
1-1.強み
- 事務所が大手(というかバンタン直属の弟)
- 意外とある国内ユニリス(国内人気は割と高い)
- 圧倒的ビジュアル
トゥバの圧倒的強みはそのビジュアルとスタイル。顔よしスタイルよし。こんな超絶イケメンをよく5人も揃えられたなぁ……と思います。ここまで「王子様」がハマるグループはトゥバだけでしょう。それだけ「顔の良さ」は圧倒的なものと言えます。また事務所が旧ビッヒとバンタンの直属の後輩ということもあり、話題性も抜群。その結果として国内ユニリスが比較的多いのでは……と個人的には考察しています。本当に顔もスタイルもいい。そこがトゥバの強みです。
1-2.弱み
- 迷走気味のコンセプト
- 爆発力に欠ける
逆にトゥバ最大の弱みは「コンセプトが迷走ぎみ」な点。確かにここは旧ビッヒの大きな特徴と言える部分で、それこそ大先輩バンタンはカメレオンのようにコンセプトを変え続け「新規層」を絶えず取り込むことによりモンスターグループへと成長します。ただバンタンは「小規模零細事務所から這い上がってきた」という「下剋上」感そのものが「グループ全体を貫くもの」でした。一方でトゥバは事務所が大きくなってからのデビューなので「下剋上」感は薄く、ゆえに客観的に見れば他グルと比較して「自分たちだけの色」や「個性」がまだ未確立な点が否めません。またHYBE特有の事情として「会社内別グループとの差別化が難しい」現状もあり、ここもトゥバのウィークポイントと言えます。
1-3.考察
トゥバのアイデンティティは「バンタン唯一の弟グループ」という点でした。今でも「旧ビッヒ」に限定すれば「唯一の弟」です。ただHYBEは「同年代」のナムドルをトゥバ含めて3つも抱えています。「唯一の弟」感が薄れつつある今、トゥバの難点は「爆発力」に欠けている点です。トゥバ最大の強みである「圧倒的ビジュアル&スタイル」を存分に生かしつつ、コンセプトとターゲットを明確にすれば、他グルと差別化された「トゥバだけの魅力」が開花するのではと期待しています。
2.ENHYPEN
2-1.強み
- CJとHYBEのバックアップ
- 堅いファンダム(国外中心)
サバイバル番組の利点は「ファンを手っ取り早く増やせること」。特にプデュ式「視聴者投票系」コンテンツは「私たちがデビューさせたアイドル」なので余計にファンは感情移入し、結果として熱心なコアファンが生まれやすくなります。そんなオーディション番組から生まれたENHYPENの強みは圧倒的な「ファンダムの堅さ」。特に海外ファンを中心としたコアファンダムの強さは凄まじく、音盤売り上げはミリオンを突破するなど好調そのものです。
2-2.弱み
- 迷走気味のコンセプト
- トゥバとのジャンル的棲み分けの難しさ
- 国内ユニリスの低さ
一方でENHYPEN最大のウィークポイントは「国内ユニリスの低さ」。確かに世界中でKPOPが聴かれている中で国内ユニリス「だけ」にこだわる必要性は薄れましたが、現代Kポの華であり要と言える「ワールドツアー」や「カル群舞」、「バキバキキレキレダンス」は徹底的に「若さ」を消費するコンテンツ。つまり、いつかは「できなくなる日」がやって来ます。「グループの存続」や「音楽活動の永続性」を念頭に置いて考えると、やはり「ダンスや海外公演にこだわりすぎないこと」や「活動領域の拡張」が必要不可欠。そうなるとある程度の個活をミックスさせながらのグル活となる訳ですが、この「個活」は「グループや個人そのもの」の「国内知名度」を元にキャスティングされるケースがほとんど。
『I-LAND』最終回の視聴率は0.8%で『PRODUCE 101 SEASON2』最終回の視聴率(5.2%)とは歴然とした差があります。プデュ操作事件でアイドルオーディション番組自体の注目度が下がったことを勘案しても視聴率の差はあまりにも大きく、それが「国内」におけるユニリスや注目度の差に直結しているのが現状です。またトゥバの項目でも書きましたが「グループ内他グルとの差別化」や「ジャンル的棲み分けの難しさ」もウィークポイントです。海外中心の強固なファンダムの存在は大きな強みですが、国内での注目度の低さやパフォ中心なことに起因する「ロングラン」への不安がENHYPENのウィークポイントだと考察します。
2-3.考察
『Polaroid Love』が注目された通り、パフォ一辺倒に振り切らなくても、彼らの魅力は存分に発揮されると僕は思っています。確かに海外では「K-POP=パフォーマンス主体のダンス曲」という前提のもとに受容されている側面がありますが、「バキバキキレキレダンス」もやりつつ「爽やかポップソング」や「マツケンサンバ的ご機嫌ソング」をタイトル曲に据えてもいいのでは……?そう感じる今日この頃です。願わくばロングランして欲しいですね(≧▽≦)
3.Stray Kids
3-1.強み
- 全体的なスキル面での安定性
- 豊富なMVと供給
- 3RACHAプロデュースという「独自性」
JYPでは珍しく最初から「自主製作」を掲げデビューしたスキズ。大手事務所のデビューメンバーということもあって全員そつなくパフォをこなせる器用さを持っており、その「安定性」はスキズの強みです。またスキズは同じアルバムで何個もMVを出すことが特徴。経営体力のある大手事務所所属だからこそできる「道楽」でファンへの供給を絶えず行える点も大きな強みだと考察します。
3-2.弱み
- 明確に好き嫌いが分かれる「ダーク」な曲調
- 本国ユニリスの低さ
- パワーボーカルの不在
- 3RACHA(特にハニ)のオーバーワーク
一方で、スキズのタイトル曲の多くは「ダーク」な曲調が多く、決して「万人受け」する楽曲ではありません。確かにJYPドルの強みである「ダンス」や「パフォ」は「ダーク」で「アバンギャルド」な世界観との親和性が非常に高いのですが、スキズや(他グルですが名前出すと)イリチル等のグループはそのレベルが他グルと比較すると強すぎるのでは……と感じる部分があります。前述の通りHYBEはコンセプトを変えすぎて迷走するのが難点ですが、スキズやイリチルは逆に「ガチガチに固めたコンセプト」を「貫き通して」マニア的に受容された結果「安易な路線変更」ができないのが難点です。コアファンの忠誠度の高さは折り紙付きですが、「路線変更」や「万人受け」する曲をリリースしづらいのはスキズの大きなウィークポイントと言えます。またパフォ重視のグループだと「パワーボーカル」(例:SHINeeジョンヒョン、SEVENTEENドギョム、ATEEZジョンホ等)の存在がパフォそのもののインパクトに直結するくらい重要なのですが、メインボーカルのスンミンが「パワー」よりも「エモさ」に強みがあるボーカリストゆえ、力強いハイトーンボーカルもこなせるハニの負担が増えがちな現状もあります。色々と課題はありますが、元を辿ると「路線変更」や「コンセプトの変化」へのハードルの高さがスキズ最大のウィークポイントなのではと考察します。
3-3.考察
ただ3RACHAやスキズがダーク一辺倒という訳ではなく、クリスマスのシーズンソングやファンソングではエモさ抜群のバラードや爽やかソングもリリースされています。少しだけダークさを緩め、そこにエモさや爽やかさを入れてみるのも一興なのでは……個人的にはそう思っています。
4.TREASURE
4-1.強み
- リリースされる楽曲の幅広さ
- 既存のYGとは一線を画す「エンターテイナー性」「親しみやすさ」
トレに関しては延々とこのブログで特集してきたので、今回はサラッと書いていきたいと思います。既存のYGグルの「カリスマ性」とは距離が遠い反面、「親しみやすさ」や「エンターテイナー性」は抜きんでており、特にステージマナーの良さに定評があるのがトレです。「大人数グルは楽しませてなんぼ」と言わんばかりの「エンターテイナー性」もありつつ、ゴリゴリヒップホップからエモさ抜群のバラード、ご機嫌ソングまで何でもござれの楽曲の幅広さ。「楽しませてなんぼ」を軸に多様な楽曲を披露できる点がトレの強みと言えます。
4-2.弱み
- YGの悪しき伝統(カムバの遅さ)を引きずっていること
- イェダムとマシホの離脱
一方で改善されつつはあるものの「YGの悪しき伝統」こと「カムバの遅さ」(「夏カムバ」の予定がいつの間にか10月……)は否めませんし、何よりもイェダムとマシホの離脱はファンの心に暗い影を落としました。「多幸感」が魅力だったトレには痛いニュースだったのは確か。そこを乗り越えられるかどうかが今後のカギなのではと個人的には思います。
おわりに
最後に現代ナムドルを取り巻く環境全般に関して触れていこうと思います。ENHYPENの項目でも書きましたが、アイドル(特にナムドル)への注目度はプデュ操作事件で急速に落ちました。
幸いにもヨドルはaespa、STAYC、IVE、LE SSERAFIM、NewJeans等が注目を集めていますが、これは『TOMBOY』(アイドゥル)や『LOVE DIVE』(IVE)、『Attention』(NewJeans)といったメガヒット曲の存在が大きく、これといった明確なヒット曲が出ていない(バンタン以外の)ナムドルの注目度は依然として低い状態です。
一方で2022年は少女時代やKARA、BIGBANGといった一時代を築いたレジェンドグループが相次いでカムバし、いずれも大きな注目を集めました。
背景としてはジュノ先輩(2PM)のウリチブ逆走やジェジェヌナ&『文明特急』の影響なども挙げられますが、その結果として浮き彫りになったのは、「現在アクティブに活躍しているグループ」の注目度よりも「(一時代を築いたレジェンドグループとはいえ)何年も活動していなかったグループ」の方が注目度が高いという現実。世界的な人気拡大やPRODUCE 101の影響等から男女問わず大小様々な事務所から新しいグループが誕生しましたが、その中で注目を受けるのはごく少数のグループだけでした。これに関してはK-POPとは別界隈の話ですが、神谷浩史さんが「AnimeJapan」に出た際に「新規タイトルの注目度が低い」事に対して冷徹な分析を下した発言が参考になるのではと僕は考えます。
(5分50秒あたり~)
(神谷浩史さん)ただ、もう何か全然皆さんも興味ないみたいです。
(置鮎龍太郎さん)そうなの?
(神谷さん)ってうか、あの、ロングIP以外はお客さんが来ない。
(小野坂昌也さん)マジで?
(置鮎さん)長い作品以外ってこと?
(小野坂さん)知ってるやつしか来ないってこと?
(神谷さん)そうです。新規で立ち上げたタイトルに対して、みんなが期待値を持って見てくれるかって言ったら、全然そんな事も無いらしくて。
(小野坂さん)え、そうなの?
(神谷さん)始まってから、「面白いよ」みたいな風な口コミがあるとみんな見てくれるけど、そういうものが一切無いところで、自分から「これが面白そう」っていう風に手を伸ばしてくれるようなお客さんがもう死んだんだと思います。
(小野坂さん)死んではいないけどね!原作が面白かって~みたいなやつはあるんですか?
(置鮎さん)話題作みたいな?
(神谷さん)それはあるんじゃないんですか。それはあるけど続編とかある程度もう長く続いているようなやつだったりとか、もう鉄板のタイトル以外はもう……
(小野坂さん)へ~変わりましたね~
(神谷さん)時間を割いてらんないんでしょうね。そんなことに。
(小野坂さん)見つけることに?
(神谷さん)そういう楽しさっていうよりは、「みんなが見てるから見る」とか「流行ってるからやる」とか。
(小野坂さん)話題だから見とかなきゃみたいな……
神谷さんの言葉を借りるなら、「全くの新規タイトル」は「誰かのお墨付き」や「確実に面白そう」という保証が無いと「誰にも見てもらえない」。だから「誰かが見つけてくれる」のを待つばかりだけど、多くの人(一般ピーポー)には「面白さ」を見つける余裕はない。だから「全くの新規タイトル」の注目度は低いまま―、驚くほどに現状のK-POP(特にナムドル)を取り巻く環境に似ていると僕は感じました。
思えば「何も後ろ盾のない練習生」を救う「ワイルドカード」的な「ブランド力」を持っていたのがかつてのプデュでした。以前にも書きましたが、サバイバル番組の強みは「短期間でコアなファンを集めることができる」点。特にPRODUCE 101はサバイバル番組の代名詞的存在として社会現象的な人気を博し、番組から生まれたグループはいずれも高い人気を誇りました。ですが投票操作が発覚し、その顛末は皆様もご存知の通り。その結果、「アイドル」や「練習生」そのものへの注目度が著しく低下し、大手事務所や既存のグループ、既に名を上げたプロデューサーの「ブランド力」が相対的に上がりました。さらにK-POPは日本のように「タイアップ」という概念がほとんど無いため、アーティストが「一般ピーポー」の目に触れる機会が少なく、パフォーマンスや楽曲で人気を得ることが非常に難しい事情もあります。「見てもらう」ためには「確実に面白そうという保証」が必要……かくしてグループや個人の持つ「ブランド力」が強く求められるようになりました。
2020年代のK-POPは、大小様々な事務所から新人グループが毎月のようにデビューしています。その中で「注目」を集めることは至難の業。結果としてSM、JYP、YG、HYBEといった大手事務所や、ミン・ヒジン(SM⇒ADOR)といった有名プロデューサー、あるいは「〇〇の弟or妹」といった「ブランド力」が昔とは比較にならないほど重要視されています。あのプデュですら「一般ピーポーを巻き込めていた」からこそ、他の番組とは一線を画す「ブランド力」を持っていました。それを踏まると、「ブランド力」を持つ人と持たざる人の格差が急速に拡大したのが現代K-POPだと考察します。
ですが思わぬところから注目を集める事も時として起こるのがK-POPの世界。それこそ『セマンティック・エラー』があそこまで注目されるとは誰も思っていませんでしたし、
その他にも『Poraloid Love』や『DARARI』、YOUNITEの『1 of 9』のような楽曲がTikTok等であそこまで注目されるとは誰も思っていませんでした。このように、一般ピーポーに「知ってもらう」とっかかりはまだ沢山あると僕は確信しています。願わくば全員それぞれの魅力を発揮しつつ売れて欲しいです。
そうこうしているうちに6600字を超えてしまいましたね笑
駄文・長文失礼いたしましたm(_ _)m
ご指摘等ございましたら、遠慮なくお申し付けください。
今年はもっと更新頻度を上げていけたらな……と思う今日この頃です。。。
(END/6665Words)