「YGらしさ」の考察 パート⑤~新たな「YGらしさ」とTREASURE~
YGが野心的に売り出した12人のBOY達がデビューして早1年!
一方で言われ続けた「YGらしくない」という指摘。
じゃあ、なにが「YGらしさ」なのか?
パート①では「ヤンサのルーツと実力派イメージ」に
パート②では「BIGBANG」の影響、
パート③では「なぜサバイバル番組に人はハマるのか?」
パート④では、「WINNER と iKONの辿ってきた歴史」について考察を深めました。
そして、今回の「パート⑤」はついに「YGらしさ」特集の最終回。
BIGBANG、WINNER、iKONを通して「成功」も「失敗」も「栄光」も「没落」も味わったYGが次のボーイズグループに選んだ「TREARSURE」。多くの人々から「YGらしくない」と言われた彼らはなぜ「YGらしくない」のか?どうして彼らは「YGらしくない」姿でデビューしたのか?
そんなTREASUREの「YGらしくなさ」について今回は考察を深めていこうと思います。
目次
- 1.はじめに ~「YGらしさ」とは「後期BIGBANG」らしさ~
- 2.何がTREASUREの特徴なのか?
- 3.なぜTREASUREは「YGらしくない」のか?
- 4.ロールモデルは「SEVENTEEN」 ~「ファン向けアイドル」への転換~
- 5.「後期BIGBANGらしさ」の解消に向けて
- 6.これからのTREASUREについて思うこと
- 7.グループを続けるためには ~「最後に」に代えて~
1.はじめに ~「YGらしさ」とは「後期BIGBANG」らしさ~
前回まで考察した通り、多くの「YGらしさ」は『FANTASTIC BABY』発表後の「後期BIGBANG」によって作り上げられました。具体的にあげると、
- 突出した才能を持った人材を軸にした少数精鋭のメンバー構成&実力派イメージ
- メンバー個人のカリスマ性を全面に押し出すプロモーション
- 自己プロデュースによるアーティスト性の確保
- 一般ピーポーをターゲットにした陽気で楽しいパリピ御用達の音楽
- 楽曲の完成度にこだわる姿勢
です。これらの「後期BIGBANG」らしさの影響がWINNERやiKONに及んだことにより、必然的に「後期BIGBANG」のスタイルが「YGらしさ」と認識されるようになったのは前回までの通り。「ポストBIGBANG」としてYGの未来を担ったWINNER&iKONは存分に影響を受けながら活動を続け、多くのファンと一般ピーポーの支持を集めます。そして、BIGBANGもWINNERもiKONもナムドル屈指の人気グループとなりました。このような「YGらしさ」を崩さなかったからこそ、多くのファンを獲得できたのは否定できない事実です。
一方で、このような「YGらしさ」には数々の問題点がありました。例を挙げると、
- 売れるための強制的な路線変更の断行
- 何かのスキルや天才的な才能に依拠したカリスマ性イメージが求められる(=何でもこなせるマルチエンターテイナー的なキャラクターが潰されてしまう)
- 学校生活の放棄とそれに伴う人間力の低下
- 大ヒットを求めて曲作りにこだわった結果ズルズルと遅れるカムバ
です。特に「カリスマイメージの強制」や「特定メンバーへの過度の依存」はグループどころか事務所を存亡の危機に立たせる最悪の事態を招くことになり、最終的にはヤンサの責任問題となって彼はYGを去ることになります。
しかし何の因果かヤンサはYGを去る直前に「置き土産」として新しいボーイズグループのデビューメンバーを選抜していました。その後、彼らは2020年8月7日に新グループ「TREASURE」としてデビューします。そして、彼らが世に出たとき、多くの人は「YGらしくない」と言いました。YGの歴史を振り返りつつ「YGらしさ」について考察を加えてきたこのブログ。最終回の今回は、TREASUREの体現する「新しいYGスタイル」(=「YGらしくなさ」)について、かつての「YGらしさ」や、TREASUREがロールモデルと公言するグループ、そして現代のK-POP界のトレンドと比較しつつ検討していきたいと思います。
2.何がTREASUREの特徴なのか?
さて、僕自身も初めてTREASUREを見た時、(特有のYGサウンドが感じられたので)楽曲面はともかく、ビジュアルやグループのコンセプト的な面で「本当にこれがYGのグループなのか?」と思いました。では、何に「YGらしくなさ」(=「後期BIGBANG」らしくなさ)を覚えたのか?あくまで個人の感想ですが、「TREASUREの特徴」は
- 少年的なビジュアル&若さを全面に押し出したプロモーション
- 「一般ピーポー向け」⇒「ファン向け」への転換
- トレマやTMIなどの供給増&YG的神秘主義からの脱却
- 大人数かつ2リーダー体制
- デビュー段階でサウンドプロデュースをさせていない
- 01line (ジェヒョク)以降の韓国人メンバーを「学校に通わせている」
の6つにあるのではと考えます。
それでは「少年的なビジュアル&若さを全面に押し出したプロモーション」のお話から考察を深めていきたいと思います。
3.なぜTREASUREは「YGらしくない」のか?
3-1. かつては「YGらしかった」TREASURE
僕もデビューしたTREASUREの姿を見て驚いた一人でした。12人の少年達がストリートの感性を元にした「悪童」らしさを残しつつも、「若さ」を最大限アピールしながら彼らは「少年」らしく『BOY』を歌い、次のカムバ曲『I LOVE YOU (사랑해)』では『BOY』に残されていた「悪童らしさ」すら払拭した「制服姿」で活動しました。
その後、迷曲(?)『MMM』を披露したと思ったら、次のカムバ曲『MY TREASURE』 でも、再び少年美溢れる「若さ」と「親しみやすさ」を全面に押し出してTREASUREは活動します。
そして現在、彼らは絶賛ドラマでカムバック(?)している最中。『男子校怪談』と銘打たれたタイトルそのままに、「制服」を身に纏いながら演技活動をする彼らの姿は紛れもなく「少年」そのもでした。
この溢れる「若さ」と「少年美」、そして「親しみやすさを覚える」TREASUREのイメージは、かつての「カリスマ性」を全面に押し出し、ある種の「近寄りがたさ」を醸し出していた「後期BIGBANG」(=一般的な「YGらしさ」)のイメージとは紛れもなく異なるものです。
TREASUREちゃん達、デビューしてからメチャクチャ更生してるの草もはや誰 pic.twitter.com/y1MGLgFjhI
— 兄貴오빠💎 (@Oppaya127) March 7, 2021
その一方で『YG宝石箱』を通じて披露されていた練習生当時の彼らのファッションやヘアスタイルは明らかに「後期BIGBANG」に影響されたであろうバチバチに「治安悪め」なものでした。ところがデビュー以降に見せる姿は少年美溢れる「若さ」と「親しみやすさ」。かつての姿とは全く異なる「見事に更生した」姿を見せたのです。このような観点から、BIGBANGやWINNER、iKONを想像してTREASUREを見た人の多くは「YGらしくない」と指摘し続けたのは至極当然の反応です。しかし、「YGらしさ」とは「後期BIGBANGらしさ」であり、その「後期BIGBANGらしさ」には大きな問題&副作用があったのは前述した通り。そんな中で「問題解決」の手段として選ばれたのが他ならぬ「少年たちの更生」でした。なぜ彼らは「更生」する必要があったのか? この話が次の章以降で言及する「ファン向けアイドルへの転換」の話にも関わってきます。
3-2.「非現実性」を帯びていたアイドルたち
詳しくは次の章で考察しますが、現代のアイドルは程度の大小こそあれ「親しみやすさ」を持ったイメージの元にグループの活動が行われています。そんなアイドルの「親しみやすさ」が注目されるようになったのは2010年頃のことです。
一方でこの時代は2PMに代表される「チムスンドル(짐승돌)」(野獣ドル)の全盛期でもありました。『熱血男児』という仰々しいタイトルのサバイバル番組を通してメンバーが選抜された2PMは、「強烈な男性美」に由来するカリスマ性と圧倒的なフィジカルをベースにした野性味溢れるパフォーマンスで大きな人気を博します。
特に『Heartbeat』で鍛え上げられた肉体を惜しげも無く披露するテギョン氏のパフォーマンスは未だに知られており、2PMの「マッチョ的」な「カリスマ」を体現した彼によって2PMの「チムスンドル」的なアイデンティティはピークに達します。
さらに特有の「健康美」を誇っていた2PMは各種企業からの熱烈なラブコールを受け、数多くの企業やブランドのCFモデルやアンバサダーを務めます。この過程で2PM、および「チムスンドル」コンセプトは抜群の大衆性を獲得し、彼らは一時代を築くことになるのです。
また「チムスンドル」の流行以外にもう一つ大きなトピックスがありました。それがドラマ『花より男子』(韓国版)が2009年に放送されたこと。日本でも松本潤さんや小栗旬さんを一躍スターダムに載せるほど大ヒットした『花男』旋風は韓国でも衰えることを知らず、『花より男子』(韓国版)は最高視聴率32.9%を叩き出して大ヒットします。その結果、道明寺司(ク・ジュンピョ)を演じたイ・ミンホ氏や花沢類(ユン・ジフ)を演じたSS501のキム・ヒョンジュン氏は社会現象的な人気を獲得しました。彼らの特徴は文字通り「少女漫画」から飛び出してきたようなビジュアルに、「俺様」や「王子様」といったイメージを兼ね備えていたこと。現在も日韓両国で「学園ラブコメ」の象徴として取り上げられる『花より男子』の影響力により、このような「イケメン達」は高い人気を博すことになります。そして、先発作品の『宮 -Love in Palace-』(2006年放送)や後発作品の『成均館スキャンダル』(2010年放送)など、この時代を前後して漫画原作や小説原作のドラマが増えたことから、「少女漫画的なイケメン」を総称する「マンチンナム(만찢남)」(マンガから飛び出してきたような男性)という言葉も誕生していきます。*1。
このように、2000年代後半における「アイドル」や「イケメン」全体のイメージは、ある種の「非現実性」を帯びていました。その「非現実性」の頂点にあったのがまさに2PM。2PMは「非現実性」を帯びた人たちが揃いも揃っていたのですが、その中でもニックンはこの時代の「非現実性」の頂点に君臨していました。
純粋な外国人アイドルのパイオニアとして知られるタイ出身のニックンは「チムスンドル」らしい肉体美に加え、「マンチンナム」要素あふれる抜群のビジュアルとスタイルをも兼ね備えた人物。そこに長い留学生活や海外出身の帰国子女という出自から来た特有のジェントルで「優等生感」なイメージが絡み合い、「タイの王子様」のあだ名が付けられます。このように「チムスンドル」要素に「マンチンナム」感も併せ持った唯一無二の「属性」を持つニックンは向かうところ敵無し状態。グループの人気や多数のCM出演で得た抜群の大衆性を背景に彼は「時代の寵児」となるのです*2。
3-3.「ナムチンドル」の登場と「親しみやすさ」
そんな「非現実的」なイケメンが世の中を席巻する中で登場したのが「ナムチンドル(남친돌)」(彼氏ドル)。「ナムチンドル」という言葉が生まれたのは2010年頃のことで、その始まりはHIGHLIGHT(当時:BEAST)のユン・ドゥジュン氏だと言われています。そして、アイドルの「親しみやすさ」を考える上で「ナムチンドル」とユン・ドゥジュンを外して語ることはできないと僕は考えます。
もちろん東方神起や2PMといったカリスマ性や非現実的なイメージを前面に押し出したアイドルが登場する前には、いわゆる「リアコ感」や「親しみやすさ」を売りにしていたアイドルも一部のメンバー単位ですが存在はしていました。しかし、強烈なカリスマ性をバックに大きな人気を獲得する「チムスンドル」全盛時代や、花男的な「俺様」や「王子様」が人気を集めていた時代において、ドゥジュン特有の「温かい雰囲気」、もっと突き詰めると彼が醸し出していた独特の「リアコ感」は非常に新鮮なものとして多くの人々に受け止められることになります。その結果、彼は「ナムチンドル」として一気に名を上げることになり、あれから10年以上経った今でも彼は元祖「ナムチンドル」として高い人気を維持し続けています。このドゥジュンの登場を境にトレンドが一気に「親しみやすさ」や「リアコ感」、あるいは「かわいらしさ」をフィーチャーした「ナムチンドル」路線にシフトします。
逆にかつてのトレンドであった「チムスンドル」に近いコンセプトを明確に打ち出しているナムドルはMONSTA X(&ウォノ)などのごく一部に残すのみです。個人単位でも鍛え上げた肉体を前面に押し出して活動する「チムスンドル」(?)的な人物はPENTAGONホンソクやASTROムンビンほどしか見当たりません。もちろんアイドルは体が資本なので、時代が変わろうともアイドルは常に体を鍛えているとは思います。しかし、少なくとも「筋肉」を「売り」にするアイドルはほぼいなくなりました。これはアイドルに求められるイメージが「非現実的なイケメン」から「親しみやすいイケメン」や「かわいらしいイケメン」、あるいは「リアコ感を醸し出してくれる人」の方向に変わっていったからです。
何よりも「チムスンドル」で時代を作った2PMがジュノ氏の『ウリチブ』旋風で再び注目を集めて逆走に成功したことを踏まえれば、「強烈なカリスマ性」や「非現実性を帯びたコンセプト」はもはやトレンドではなく、少なくとも2020年代の現段階ではユン・ドゥジュンとその後の「ナムチンドル」たちが生み出した「親しみやすさ」がアイドルを支える「軸」と言えます。
では、その「親しみやすさ」を支える「核」とは何なのか?実はこのブログの構成を練っている途中、ジェヒョク&アサヒ&ジョンウの3人がVLIVE(10/23)で「SEVENTEEN先輩がロールモデル」発言をしました。言われてみれば納得だし、SEVENTEENの特性を分析すれば、『宝石箱』当時の「治安悪め」のスタイルから「更生」を果たした理由も説明できるのではと僕は考察します。そこで、次の章ではTREASURE自身が「ロールモデル」と語るSEVENTEENを例に取りつつ、TREASUREが体現しようとする「新しいYGらしさ」について考えていきたいと思います。
4.ロールモデルは「SEVENTEEN」 ~「ファン向けアイドル」への転換~
4-1. 現代K-POPを取り巻く餅ゴリ社長的「歌手の心構え」
まず大前提としてSEVENTEENは既存の「YGらしさ」(=「後期BIGBANGらしさ」)とは全く正反対のグループです。確かに「曲を自作する」ことが「アイデンティティ」になっている点はBIGBANGもSEVENTEENも共通しています。しかしSEVENTEENは「アイドル」という「アイデンティティ」が非常に強いグループ。ゆえにBIGBANGほど「アーティスト性」や「カリスマ性」は強調されません。なぜSEVENTEEN「アーティスト性」や「カリスマ性」が強調されないのか?
僕はこの疑問を考える手掛かりが『Nizi Project』のこのシーンにあると考えます。WithUの皆様ならご存知の通り、リオ嬢は小学生時代にダンスの世界へと足を踏み入れます。そして長いダンス経歴により培われた類い希なるダンス力を武器に彼女は『Nizi Project』へ参加し、実際、彼女のダンススキルは非常に高く評価されます。しかし、このシーンでリオ嬢は餅ゴリ社長に、
「歌手はダンサーのように見えてはいけません」、「ダンサーと歌手は違う職業です」、「見る人を説得しようとする努力も見えないし、自分が上手く踊ることだけを考えている」、「“私は踊っているから見る見ないはどうぞご自由に“という印象を受けました」、「ダンスや歌は見てくれる人のためにやることであり、“自分”のためにやることではない」、「僕(=餅ゴリ氏)とコミュニケーションをしながら(踊らなければいけなかった)」
と、かなり厳しい指摘を受けます。そして、最後に餅ゴリ社長はリオ嬢に「一人で踊るより目の前にいる人のために踊ることで(リオさんが)幸せだって思えるようにならなきゃ」と語りかけ、「僕は見てくれる人がいないと踊りたくない!」と言って講評を締めくくりました。
あくまで一般論として書きますが、餅ゴリ社長がこのシーンで伝えたかったのは、「歌手(=アイドル)」は「相手(=ファン)がいないと成立しない」―、もっと深く突っ込めば、圧倒的な「実力」があっても「相手(=ファン)」のことを考えなければ、後に残るのは「押しつけがましさ」だけで、それでは「自分の魅力」を理解してくれる「自分を見てくれる人」は絶対に増えないということでした。
2020年代のK-POP界は規模を問わず星の数ほど存在する芸能企画会社とアイドルたちが自分たちの「生存」(=グループや会社の存続)を巡ってサバイバルを繰り広げる厳しい環境にさらされています。そして、この競争から抜け出す唯一のワイルドカードは「巨大なファン層を作り上げる事」であり、そのためには「自分の魅力」を理解してくれる「自分を見てくれる人」(=「自分に親しみを持ってくれる人」)を地道に増やす他ありません。だからこそ、この餅ゴリ社長的な「歌手の心構え」は現代アイドルにとって絶対に護るべき大原則だと受け止められているのではと僕は考察します。
4-2.SEVENTEENの「エンターテイナー性」
前置きがかなり長くなりましたが、以上のことから、現代のアイドルは絶えず「ファン」の存在を意識して活動し、絶えず「ファン」を満足させることを最終目標とする「ファンのためのアイドル」の側面が非常に強くなっています。そんな「ファンのためのアイドル」路線で最も成功したグループの一つがSEVENTEENです。彼らは「自主製作ドル」という唯一無二のコンセプトを掲げ、「ウジPDが作る魅力的な楽曲群」×「K-POP界でも有数のダンサー、ホシを筆頭に作り上げられたパフォーマンス」×「ドギョム&スングァンというタイプの違う2大メインボーカルを筆頭とした申し分ない歌唱力」×「よりどりみどりのイケメン集団」×…etc。まさにSEVENTEENはこのコンセプトとパフォーマンスをやり遂げるだけの実力を持った優秀な人材を集めるだけ集めたドリームチームのようなグループです。そしてウジ、ウォヌ、ドギョム以外の10人が「キャスティング」(スカウト)出身という末恐ろしさ。よくもこれだけの人材を13人もPLEDISは集めたなと感心してしまいます。
そして彼らの最大の長所は「エンターテイナー性の強さ」にあると僕は思います。ストーリー性が存分に盛り込まれ、まるで一本のミュージカルを見ているかのような気持ちになれる圧倒的なパフォーマンス、アイドルコンテンツとしては既に独歩的な面白さを誇る『GOING SEVENTEEN』(ゴセ)、メンバー13人全員が「自分だけのキャラクター」をアピールできるほどの「人間的な魅力」を兼ね備えている 等…、これほどまでに「見ていて楽しい」と思わせてくれるグループはSEVENTEENだけです。圧倒的な「陽」の煌めきから放たれた「明るく」「愉快で」「楽しい」「肯定的な姿」で「ファンを笑顔にさせ続ける」SEVENTEENは最強の「エンターテイナー集団」です。そして彼らがグループ活動を通じて見せる姿のどれもが個性的であり、最初から最後まで見る者を絶対に飽きさせない「爆発力」を秘めているのもSEVENTEENの大きな強みと言えます。
そんな「最高のエンターテイナー集団」、SEVENTEENの最終目標は「13人全員」で「ファン」を「笑顔にさせて」「歌もダンスもできる」「スーパーアイドル」になること。そのために彼らは歌にもダンスにもバラエティにも「常に全力投球」で挑み、時には1年に4回もカムバを果たすなど恐ろしい程の仕事量をこなしていきます。常に活動の際には「ファンのため」という姿勢を崩すことなく駆け抜けてきたSEVENTEENにとって、「自分たちで作った楽曲」や「自分たちが考案したパフォーマンス」を披露するのも「ファンに喜んでもらいたい」という思いの強さの証明なのです。
繰り返すようですがSEVENTEENの本質は「アーティスト」ではなく「エンターテイナー」。「ファンを喜ばせること」を最優先する彼らの姿勢は紛れもなく「スーパーアイドル」であり「エンターテイナー」です。だからこそ、SEVENTEENはかつてのBIGBANGのような「アーティスト性」や「カリスマ性」を強調することは無く、今日も「ファンを喜ばせたい」、「ファンを笑顔にしたい」の一心で活動を続けているのです。
4-3.「ファン」に寄り添わなかったYGの罪
一方で、SEVENTEENとは正反対に「YGらしさ」(=「後期BIGBANGらしさ」)の本質は「アーティスト性」にありました。前回のブログまでに何度も指摘していた通り、「YGらしさ」の頂点に君臨していたBIGBANGは「アーティスト性」と「カリスマ性」を前面に押し出し、「ファン」ではなく「一般ピーポー」に向けた活動を行っていました。
ところが、この「YGらしさ」は、「ファンに寄り添う」という姿勢の欠如や、「エンターテイナー性」の軽視へと繋がっていきます。もちろんYGの出す楽曲のクオリティーは非常に高く、ファン以外の一般ピーポーですら思わず「聴いてみたい」と思わせる破壊力を持っていました。しかし、曲は「生もの」なので「完璧」を目指すまでには時間がかかるのは当然の話。YGは「クオリティー」を追求して「一般ピーポー」を納得させることに全力を注ぎ、多くのヒット曲を生み出した一方で、「ファンに寄り添う」ことや「エンターテイナー性」を軽んじてきました。それゆえかYGは、現代のK-POP界におけるグループを存続させるための最優先事項でもある「ファン層の形成&維持」で常に弱い姿を見せるようになります。
固定ファン層の力が他グループと比較して相対的に弱かったのにもかかわらずYG所属アーティストたちがトップクラスの人気を保てたのはチート級の「大衆性」で火力の弱さをカバーできていたからです。
そして残念なことに、YG特有の「ファン層の火力の弱さ」をカバーできる「大衆性」のチートぶりは大きく薄まってしまい、TREASUREが歩もうとしていたかもしれない後期BIGBANG的な「一般ピーポーをターゲットにした陽気で楽しいパリピ御用達グループ」への道は閉ざされてしまいます。もちろん、GDに憧れてYGに入ったヒョンソクや、母親がBIGBANGの大ファンであり幼少期から身近に「YG」のカリスマ性を感じてきたハルトなど、彼らが「後期BIGBANG」的なバックグラウンドを抱えているのは明らかです。しかし、デビューメンバー選抜直後、YGを取り巻く環境は否定的な意味で大きく変わりました。そんな状況下なら誰もが「期待できない大衆性」よりも「逆風の中でも応援してくれるファン」に大事な事務所の将来を担う新グループの未来を託すでしょう。
以上の理由から、TREASUREは「アーティスト性」や「カリスマ性」よりも「エンターテイナー性」を存分に押し出し、そこから漂う「親近感」を武器に「逆風の中でも応援してくれるファン」を全力で囲い込む必要に迫られます。その結果、かつてのYGアーティストが貫いていた「神秘主義」は鳴りを潜めることになり、デビュー前から『TREASURE MAP』(トレマ)を製作するなど、TREASUREはメンバー個人の「人間的魅力」をアピールすることで「親近感」を高めていく方向性にシフトします。そして「親近感」を武器にするのに、他者に威圧感を与える練習生時代のファッションのままでは話になりません。かくして、「制服」に代表される「少年らしさ」全開の方向性にTREASUREは「更生」したのです。
この「更生」はビジュアル的な側面だけにとどまらず、これまでの「YGらしさ」(=後期YGらしさ)の負の側面の筆頭だった「特定メンバーに対する過度な依存」の解消や、今まで散々軽視してきた「人間力」の養成にも繋がっていきます。次の章では今までの「負の側面」を一気に解消しようとするYGとTREASUREについて考察を深めていきます。
5.「後期BIGBANGらしさ」の解消に向けて
5-1. 「ハンビン」という「反面教師」
前回のブログでも書いた通り、iKONは「ハンビン依存が極端に進んでいたグループ」でした。ラッパーとしても、パフォーマーとしても、プロデューサーとしても、何もかも優秀だったハンビンの才能を当てにしたYGは過度に「ハンビンありき」でグループをデビューさせます。その結果、馬車馬のように働いたハンビンは身を持ち崩し、結果的にiKONからもYGからも去る最悪の結果を招きました。この「悲劇」の背景にあったのが、伝統的にYGがやりがちだった「特定メンバーに対する過度な依存」と「人間力養成の軽視」。「何もかも優秀だった」ハンビンの才能「だけ」を頼りに過度のプレッシャーを与え、決して擁護できない違法行為を彼が犯す「キッカケ」を作ったYGのマネジメント能力はお粗末さの極みです。
また、ハンビンは中学校すら満足に通うこと無く、「学校」で学べるはずだった「社会性」や「協調性」、「コミュニケーションスキル」などの「人間力」の成長を犠牲にして「芸能人」に必要なスキル「だけ」を伸ばす練習生生活を送りました。そして「メンタルの弱さ」と「人間力の乏しさ」が際立ちながらも、圧倒的な「才能」と「実力」をバックに「リーダー」として「グループ運営」の一切を任せられます。その結果、YGは唯一無二の存在であったハンビンを失う羽目になったのは皮肉としか言いようがありません。
確かにハンビンは決して擁護できない違法行為を犯しました。しかし、それを考慮しても、「ハンビンの悲劇」はYGのマネジメントの拙さや管理能力の欠如が招いた「人災」の側面が強いと僕は考えます。「予測できた」悲劇を起こしてしまい、ここに事態の重さをようやく自覚したYGは新グループを「2リーダー体制」にする決断を下します。
5-2.「2リーダー体制」&「(今は)自作しない」という一つの答え
もちろん「2リーダー体制」は、今の12人組「TREASURE」が本来「TREASURE」と「MAGNUM」の2組に分かれてデビューする予定だった名残による部分も大いにあるでしょう。しかし12人組に再編成した時も「2リーダー体制」を崩さなかったのは何かしらの意図があってのこと。その「意図」こそ、「ハンビンの悲劇」を二度と生み出さないための「YGの答え」だと僕は考えます。ハンビンが身を持ち崩した原因のひとつは、グループ運営の「全責任」がハンビン一人に委ねられていたことでした。7人のグループを1人で率いて身を持ち崩したハンビンの姿を見れば、12人もいるグループのリーダーを1人が務めることは危険極まりない行為です。才能溢れる人材をマネジメントの拙さで殺すのは万死に値する行為。かくしてTREASUREはヒョンソクとジフンの「2リーダー体制」を取り、「リーダー」の負担を1人だけに背負わせない方針をとることになります。
加えてハンビンは「人間力の乏しさ」ゆえ「メンタルの弱さ」が際立っていた人物。そんな彼は「全てのサウンドプロデュース」を任され、意図せずグループの「生殺与奪の権」を握ってしまったことが精神をすり減らす要因になってしまいました。もしハンビンがソロ歌手であれば、もし「失敗」したとしても「次があるから」とまだ気楽に考えられていたでしょう。その証拠に実際ソロになった彼は憑きものが取れたかのように活発に活動しています。
ところが「グループの方向性作り」(=「楽曲製作」)がたった一人に委ねられているとなると話は別でした。『WIN』でハンビン自身が言っていた通り、彼は「メンバーのため」に「絶対失敗してはいけない」との思いで楽曲を作っていました。もちろん「失敗は成功の母」ということわざの通り、「成功」には「失敗」が付きものです。しかし、現実問題的にデビュー間もない新人アイドルの「失敗」は「致命傷」にもなりかねません。デビュー間もない「成功」しか望まれていない時期での「失敗」体験は無条件でアイドルたちに一生残るトラウマを与えてしまうでしょう。
またサウンドプロデュースを担う人物は他メンバーと比較して作業量が桁違いに増えます。そんな彼らを、「音楽面」でも「精神面」でも支えてくれるバックアップ体制が完璧に構築されていない限り、サウンドプロデュースを任せることは不可能です。BEASTやBTOB、GOT7など、自作曲で成功するアイドルは確かに増えましたが、彼らも自作曲でカムバしたのはデビューから数年を経てのこと。今となっては賛否両論分かれますが、「リスク回避」のためか、あの天才作曲家フイ大先生擁するPENTAGONですらデビュー曲が自作曲では無かったくらいです。まだ「アイドル」の数が少なかったBIGBANGや「アーティスト性」が一つの「ブランド」だったYGナムドルなどを除けば、デビュー時から本人の「アーティスト性」や「自主製作」を前面に打ち出したグループはB1A4(ジニョン)、SEVENTEEN(ウジ)、アイドゥル(ソヨン嬢)、Stray Kids(3RACHA)ほど。それだけ「アーティスト性」を打ち出すリスクは大きく、やると決めた以上は「事務所側」も「アーティスト側」も並々ならぬ「覚悟」をもって取り組まなければならないのです。
それにも関わらずYGはマネジメントを怠り、結果として才能溢れる人材を手放すことになりました。この状態になってYGはようやく「アーティスト性」イメージの「大きすぎるリスク」に気付きます。つまり「才能溢れるメンバー」を支える「バックアップ体制」が作れないなら、「自作曲」でのカムバックは絶対に出来ないのです。なぜ現時点(2021年末)の段階でTREASUREが「自作曲」でカムバせず、サウンドプロデュースをFUTURE BOUNCEやR.Tee、MILLENNIUMといった自社のPD陣が担当し続けているのか…、ここまで読んで頂けた方なら自ずとその理由は分かるのではと思います。
5-3. YG、ついに「人間力」養成へと舵を切る。
良くも悪くもTREASUREにはハンビンの影がつきまといます。『WIN』放送当時、TeamA(現在のWINNER)に比べて平均年齢が若かったTeamB(現在のiKON)。そんな彼らはユニョン以外全員、ハンビンを含めて「高校」に最初から通っていないか、「中退」を選択しているかのどちらか。つまり彼らのほとんどは「学校生活」の経験が不足していました。特に小学生時代から練習生生活を送っていたハンビンは他のメンバーと比較しても圧倒的に「学校生活」の経験が不足しており、「学校」で学べるはずだった「社会性」や「協調性」、「コミュニケーションスキル」などの「人間力」が全体的に不足しがちでした。中でも「メンタル」の弱さは彼に致命傷を与えてしまうことになります。
繰り返すようですが「ハンビンの悲劇」は「YGのマネジメントの拙さ」が招いた結果です。ここでようやく「人間力」の重要性に気が付いたYGは、二度と「ハンビンの悲劇」を繰り返さないためにも、ジェヒョク以降の韓国人メンバーを「学校」に通わせる決断を下します。VLIVEやコンテンツを覗くと、ジェヒョクの卒業パーティー、イェダムの高校卒業、ジョンファンの試験勉強、ドヨンのスヌン受験などが語られており、「学校生活」を着実に送っている様子がうかがえます。このようなリアルタイムの「学校生活」をYGドルが語る姿は今までは考えられませんでした。「学校生活」を重視するようになったTREASUREは、「人間力」を重視せざるを得なくなった新しい「YG」の一つの象徴なのではと僕は考えています。
6.これからのTREASUREについて思うこと
6-1.それでも「カムバ」しないTREASURE
そろそろ「まとめ」に入りたいと思います。TREASUREは『宝石箱』終了直後に発生したYGを取り巻く様々な「事件」によって、大きく方向性が変わってしまったのは前述した通りです。「YGらしさ」(=「後期BIGBANGらしさ」)を体現できるだけの「大衆性」はもはや期待できず、その結果、TREASUREは「親しみやすい」「ファンを喜ばせることが最優先な」「エンターテイナー集団」を目指していく方向性へとシフトすることになります。こうしてTREASUREは旧来の「アーティスト性」と「カリスマ性」を前面に押し出した「一般ピーポー向け」アイドルではなく、「目の前のファン」を常に意識しながら活動していく「ファン向けアイドル」として誕生しました。
しかし、あくまで個人の意見ですが、TREASUREの売り出し方が若干「迷走」しているのではと感じる部分が多々あります。特に言いたいのは「YGの悪しき伝統」こと、「カムバの遅さ」。2021年のカムバがまさか「2月だけ」とは正直思いませんでした。「ファン向けアイドル」にとって一番大切なのは「ファンを喜ばせること」、もっと深く突っ込めば「供給を増やすこと」に他なりません。新人アイドルにとって一番の供給は「カムバ」。TREASUREが2月以降カムバしない間、aespaは『Next Level』を大流行させ、DREAMやイリチルはリパケまでしっかりと活動を行い、ドボやASTROは初めての地上波1位を獲得。スキズに至ってはナムドルが1位を取るのが難しいインガで初めての1位を獲得しました。このように他のライバルたちが成果を出している中で、現状TREASUREはカムバについての公式リリースの無いままもう年末を迎えようとしています。
もちろんメンバーの「学校生活」を優先した結果、2回目のカムバを見送ることにしたのなら仕方ない話です。しかし、あくまで個人の意見ですが、仮に「学校生活」優先であっても「夏休み」の間には絶対にカムバ準備 or カムバ活動をするべきたったと僕は思います。「新人グループ」にとって「空白期」は長ければ長いほど致命的です。
TREASUREがロールモデルにあげていたSEVENTEENも6月と10月に本国カムバ、4月と12月に日本でアルバムをリリースしています。「ファン向けアイドル」が最も避けるべきことは「ファンに忘れられる」こと。徹底的に「ファン向けアイドル」になるためには最低でもTREASUREには年2回のカムバは必須だったのではと僕は考えます。
6-2. 今こそ「YGらしさ」を破るとき
このような事態が起こってしまう原因はYGが「TREASUREの売り出し方を決め切れていない」から。色々とYGがやらかしてしまった出来事を総合的に考えれば、正直今のYGには「後期BIGBANG」的な「一般ピーポー向け」の売り出しは早すぎます。むしろこんな状況にもかかわらず「親近感」を覚えてファンになってくれた人たちのためにも、無条件でTREASUREは「ファン向けアイドル」であり続ける必要がありました。それにも関わらず、かつての「YGらしさ」を思い出させるような姿勢を貫くのは、「YG」という会社自体が「後期BIGBANG的」なマインドをまだ諦められていないからでしょう。おそらく年明けになるカムバでどれだけのいい曲が出てくるかは正直分かりません。ですが素晴らしい楽曲が出来上がったとしても「誰も聴かれない」のであればこれ以上に不毛なこともありません。もう一度繰り返しますが、気の遠くなるほど遅いカムバのせいで固定ファンの数が減ったとしても、YG所属アーティストたちがトップクラスの人気を保てたのはチート級の「大衆性」のおかげです。かつてのYGの「大衆性」にはもはや期待できないのは前述の通り。これだけカムバを遅らせたTREASUREは『Next Level』や『LOVE SCENARIO』級の大ブームを起こさないと「空白期」が本当に「ムダ」になるかもしれないのです。
厳しい言葉を使いますが、今、この「YGらしさ」(=「後期YGらしさ」)を捨てなくていつ捨てるのかと正直僕は思っています。BIGBANGも「前期」と「後期」で大きくコンセプトが変わりましたし、今をときめくバンタンもカメレオンのようにそのイメージを変えることでモンスターグループになっていきました。コンセプトは後からいくらでも変えられます。だからこそ、今この瞬間だけは「グループ」を「軌道」に乗せて安定させるために「後期YGらしさ」を捨てるべきだと僕は思うのです。
7.グループを続けるためには ~「最後に」に代えて~
「YGらしさ」の考察もいよいよこれでラストです。これまで散々YGについて語ってきましたが、当然YGに限らず、全てのアイドルが「成功」を夢見て突き進んでいるのは周知の事実。しかし、成功できるアイドルはほんの一握り。なんとも残酷な世界です。
それゆえ、僕はPENTAGONがデビューから丸4年(1472日)目にして初めての1位を取った時にホンソクが涙ながらに語った言葉が今でも忘れられません。
僕は最近…今年(2020年)に入ってからは沢山泣きました。生まれてからこんなに泣いたことは無いんじゃ無いかなと思うくらいに…
(中略)
実は僕はこう思っているんです。1位になるのに10年かかったとしても、15年かかったとしても、「1位」というタイトルは…僕たちのチーム(=PENTAGON)があるから、音楽そのものが「人生」だから、本当に一番重要なものではないと思っているんです。(それでも)僕たちが音楽を作り続けるためには、それと同時に「自分たちの価値」を「証明」することが大切だと思っただけなんです…。
(PENTAGONのVLIVE/2020年10月20日)
PENTAGONはS.M. THE BALLAD*3として活動した経験を持ちながらデビューできなかったジノさんや、天才作曲家ながら実力を出す機会に恵まれなかったフイ大先生、
確かな実力を持ちながらもミクメでMnet史上最悪レベルで悪編の犠牲になったホンソクなど、他のどんなグループよりも「音楽を続けること」を渇望していた人たちが集まって作られたグループでした。
そしてフイ大先生はプデュS2の伝説『NEVER』、社会現象を巻き起こしたWanna Oneの『Energetic』を作曲したことで一躍知名度を上げ、
その後、満を持してPENTAGONが発表した稀代の名曲『Shine(빛나리)』 は再生回数2億回超えの大ヒットを記録。このまま成功街道に乗るかと思われました。
しかし、その直後ににグループの核とも言えた「彼」*4がグループを去り、一気に「上昇気流」が失速してしまう悲劇を迎えます。そこからの紆余曲折を経て、喉から手が出るほど欲しかった「初めての1位」を手にしたPENTAGON。そんな「歴史」を踏まえた上でのホンソクの言葉はとても「重い」のです。どれだけ頑張ったとしても「報われない」ことが世の中には沢山あります。プデュS2でBoAさんが言っていたように、特に「芸能界」は「結果」でしか評価されない非情な世界。
バンタンのように大成功を収めているグループもあれば、無慈悲なことに「5日」で解散を余儀なくされたアイドルもいます。デビューできても「成功」できるアイドルはほんの一握り。そんな「アイドル」たちが一日でも長く「グループ」を続けていくためにも「結果」はどうしても必要な「要素」です。
だからこそ、「結果」を獲得して自分たちの力を証明してもらうためにも、一日でも早いTREASUREのカムバを僕は望みます。僕が最初に「YGらしさ」のブログを書き始めてからもう4ヵ月近い月日が経ちました。ですがその間にもTREASUREはカムバせず、「レコーディングした」、「髪の色が変わった」等の断片的な情報が流れるのみの状態で今に至ります。ここまで引っ張っているのなら、たぶんカムバする頃にはそれはもう「最高の楽曲」が出来上がっていることでしょう。でもホンソクの言葉の通り、「12人の笑顔」を見続けるためにも「最高の楽曲が完成した」だけでは「不十分」なのです。カムバしたあかつきには、今までの空白期が嘘かと思うくらいに「最高の楽曲」で「最高の大ヒット」をTREASUREには味わってもらいたい…、心の底から僕はそう思っています。
1万7000字を超える駄文・長文失礼いたしました。ご指摘等ありましたらコメント欄に寄せて頂けたら幸いです。
(END/17689Words)
*1:
この他にも、性別を問わずネット上で優れた容貌で話題になった「一般人」は「オルチャン」(얼짱)と呼ばれていました。また「オルチャン」達は純粋な「一般人」だけでなく「芸能人志望生」も多かった事から、「オルチャン」達の様子を描いたテレビ番組『オルチャン時代』も放送されることになります。そして『オルチャン時代』はネットユーザーからの爆発的な支持を受け、出演していた「オルチャン」達は芸能人に勝るとも劣らないスター性を獲得し、現在のインスタセレブやYouTuberに近い活動を始めます。
また『オルチャン時代』には出演していませんでしたが、B1A4のジニョン(彼も中学生の頃から俳優を夢見て練習生生活を送っていました)もネット上で「オルチャン」として絶大な人気を集めていた人物のひとりです。
*2:最近のアイドルだとASTROチャウヌが当時のニックンに一番近いコンセプトを持っている(「抜群のビジュアル」×特有の「優等生感」=絶大な「大衆性」)と個人的には思います。
*3:SMが2010年に期間限定で結成させたバラードユニット。当時SMに所属していたバンドTraxのジェイ氏、SUPER JUNIORキュヒョン、SHINeeジョンヒョンと共に、練習生にもかかわらずジノさんはこのユニットに参加していました。
*4:「彼」も「彼女」もペンタも僕は好きなので、あえて名前は出しません。